本作をご覧になった著名な方々から、コメントが続々と寄せられています!
(順不同・敬称略)
涙があふれて、私はゲクゲク泣き続けました。
丸顔のあどけない顔つきが年と共に美しくいきいきしてきたのは、
彼女の暮らしが、花のいのちと共にあったからでしょう。
瀬戸内寂聴(作家・僧侶)
人がこんなに愉快に働くのを久しく見なかった。
急斜面に咲くのは花ではなくてこの老人たちである。
池澤夏樹(作家)
大いなるいのちの摂理とともにある人生。自然死、尊厳死、野垂れ死に、できたら静かに『はい、お先に』。そんな別れを教えてくれます。ムツばあさん、ありがとう!
青柳正規(元文化庁長官・橿原考古学研究所所長)
思ったことをやり続ければ、きっと最後はすばらしい人生が待っていると確信しました。
ムツさんに一度お会いして話をしたかった。
栗原はるみ(料理家)
人里離れた場所だからこそ見える、人生の真実。名残りの花が証しとなって、その人が生きた時間がなつかしく、いとしい。柳田國男の名著『山の人生』からもうすぐ百年の今、観る者の命をふるわせる奇跡の映画が誕生した。
茂木健一郎(脳科学者)
季節が来て花が咲く、当たり前のことがこんなに切ないのは、ムツさんあなたの希(おも)いが、山里(ふるさと)の空いっぱいに満ちているからでしょう。
人は去り村は消えても、私たちの魂は「約束のあの場所」に戻っていく・・
高樹のぶ子(小説家)
この映画を見ると幸せとはどういうことかが分かるような気がする。
無心に日々を営むことの大切さを思う。淡々と生きること。自然と向き合っているひとの心は安定していると思う。ひとが亡くなり集落が自然に返る。そこには花が咲きほこっている。
ムツばあさんは苦もなく休みなく働き続けている。その姿がとてもかわいい。
深澤直人(デザイナー)
安易に「美しい」という言葉を使うべきではない。でもこの作品は本当に美しい。景色だけではない。ムツばあさんと公一さんの日常。二人を撮る百崎との関係性。すべてがキラキラとまばゆい。だからあらためて思う。世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい、のだと。
森達也(映画監督・作家)
私のふるさと秩父には数え切れないほどの祭りがあり、秩父の人間が八百萬の神々と共生している証だと思っている。決して便利ではない山の中の暮らしだが、そこに生まれた縁を大切にし、楽しみ、生きていく。「立つ鳥後を濁さず」どころか花満開にして去っていく美しい生き方を学ばせてもらった。
林家たい平(落語家)
花のあとさき讃
自分たちが拓いた山の畑に、花を植えつづけた老夫婦がいた
世話になった畑を山に返すという、そのつつましい行為は
自分たちがいなくなったあとにも咲く花への期待であり
のちに託す時間への信頼感でもあっただろう
主のいない土地に、いまも花は咲きつづけ
時間は、静かに受け渡されていく
永田和宏(歌人)
一つの集落が消えていくのを見届けながら、まるで花をたむけ、終わり支度をするかのように一心不乱に花を植え続ける老夫妻
まるで花の妖精のよう…
花が咲く度に人々の心の中に夫妻は生き続けるであろう
假屋崎省吾(華道家)
花って本当に美しいなあ。
ムツさん、かっこよかったなあ…。
お花の向こうに見えるムツさんの快活な声が素敵でした。
ムツさんの『畑を山に還したい』という思いが、心に染み入りました。私達も、
大切にしなければいけない感覚なのかもしれない。
お花を植えるって、素敵なことだなあ。
のん(女優・創作あーちすと)
主人公のお婆さんの語る言葉を、
ぼくはノートに書きうつしながらこの作品を見てしまった。
世界中の政治家は、膝を屈してこの人の言葉を聞き、
反省すべきではないか———そういう作品。
山田洋次(映画監督)